放射能汚染木材チップの行き先をなぜ教えないのかー          最高裁の決定に論拠なし

「木くずの取扱業者、移動経路、搬入先の土地所有者等が特定され、これにより風評被害、回復しがたい経済的損害等が発生し、関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれが認められる。」とまず記している。しかし、どのような風評被害が発生すると想定しているのかは論じていない。まして、持ち込まれた場所に放射能汚染という真の被害が発生することは論を待たないのに、そのことにはまったく触れていなく、風評被害と根拠の無いデマとを区別することもしていない。真の被害がないところに風評被害は存在しないのである。放射能に高濃度に汚染された木材チップを持ち込まれれば、汚染のない土地は明確に汚染され、その土地の人間にとっては耐え難き被害を受け続けることを最高裁のかしこい裁判官たちはどのように考えているのであろうか。風評被害と言う前に、真の被害の存在をなぜ議論しないのであろうか。この一点だけでも今回の判決の低劣さが伺える。
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高島放射能汚染チップ不法投棄事件裁判の記録の開示請求が却下された   最高裁決定までの経過

 福島産の木材チップ(木くず)が滋賀県高島市の鴨川河口に不法に投棄された事件については、本ブログで詳細に報告してきた。そして2014年12月2日に不法投棄者に有罪判決が下され、刑が確定した。告発者である私は今年の2月12日に裁判記録(保管記録)の閲覧を大津地検に申し込んだが、拒否された。そこで、大津地裁に準抗告を申し立て、7月6日に大津地裁は閲覧許可の判決を出したが、大津地検が最高裁に特別抗告を申し立てたので閲覧は出来ないままにいた。今週12月14日に最高裁が特別抗告に関する決定を下した。最高裁判所第三小法廷の五人の裁判官による決定である。
 以上が記録閲覧要請の経緯である。決定内容は以下の通りであり、鴨川に不法投棄された木材チップが何処に運ばれて、どのように処分されて、福島の放射能がどこに撒き散らかされたのかを教える訳にはいかないと最高裁が決定したということである。すなわち、不法に投棄された放射能汚染物についてさえ、その行き先を市民が知ることはできないということである。

(決定主文: 原決定の主文第2項を取り消す。大津地方検察庁検察官は、閲覧請求人に対し、平成26年7月31日付け司法警察員矢野哲也作成の犯罪捜査報告書、同年5月16日付け司法巡査田中雅史作成の犯罪捜査報告書を閲覧させなければならない。ただし別紙の除外部分を除く。原決定の主文第2項に関するその余の準抗告を却下する。その余の本件抗告を却下する。)
これだけでは何を言っているのかお解り願えないので、明日以降に最高裁が言っている理由について報告する。
 
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石田紀郎

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「市民環境研究所は、2003年3月に、地域と環境を考える市民・学生の“溜まり場”として生まれ、膝つき合わせての勉強会「環境塾」を中心に、我々を取りまくあらゆる環境問題について、市民の目の高さで考えてきました。
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